令和5年11月公開 浄土宗大本山増上寺所蔵三大蔵はこちらから
目 的 |
仏教研究に必須とされる大蔵経は、現在では高麗版にもとづく『大正新修大蔵経』が基準であり、現存するのは増上寺の高麗版(重要文化財)のみである。
また、世界の仏教学研究者は、この『大正新修大蔵経』の版本をはじめとし、他の2版本(宋・元版)との校訂を強く求められており、加えて電子化を行い開示することにより世界の仏教研究に大いに貢献することができる。
これまでに、浄総研とインド学仏教学会や東京大学の電子化SATとの連携は成立され協力体制は整っており、公開により文化的価値が発揮される。
増上寺蔵三大蔵とは |
17世紀初頭に徳川家康が日本全国から収集し、増上寺に寄進した、次の三部の木版印刷の大蔵経(総計、約12,000点)の総称。
①中国、南宋時代(12世紀)に開版(版木が作成)された思渓版大蔵経 5,342 帖
②中国、元時代(13世紀)に開版された普寧寺版大蔵経 5,228帖
③朝鮮、高麗時代(13世紀)に開版された高麗版大蔵経 1,357 冊
経過報告 |
浄土宗と大本山増上寺は、増上寺が所蔵する「三大蔵」についてユネスコ『世界の記憶』国際登録にかかる国内申請を令和5年8月25日付で共同申請し、審査委員会による審査を受けておりました。
そして令和5年11月28日、日本の推薦候補として決定されましたのでお知らせします。
本件は2022-2023サイクルでの登録には至らず(ユネスコの結論は「再提出」)、内容を再検討のうえ改めて申請したものです。
今後、11月末に日本からユネスコへ申請書が提出され、令和6~7年頃、国際諮問委員会(IAC)での審査、登録の可否の決定が行われる予定です。
なお、本件に関しては文部科学省からも報道発表等があり、公式サイトにて以下のとおり公表されています。
【文部科学省】ユネスコ「世界の記憶」事業における国際登録(2024-2025登録サイクル)への登録申請案件の決定について
実施スケジュール |
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年(慶讃年) |
準備 | 高麗版(撮影・電子化) | |||||
シンポジウム
(増上寺三大蔵経公開) |
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宋・元版不備分(撮影・電子化) | 増上寺三大蔵経公開 |
平成30年度 ・・・準備期間
令和元年度~令和3年度・・・浄土宗総合研究所へ高麗版電子化を委託。
※「増上寺三大蔵経(宋版・元版)」のデータ化については、完了されているが撮影不備分が発覚したことから追加分を撮影、SAT(「大正新脩大蔵経」をデータべース化し、WEB閲覧サービスを提供)との連携を構築されている浄土宗総合研究所へ高麗版の電子化及び電子化にともなうシンポジウム開催を委託。
令和3年11月29日・・・大本山増上寺においてシンポジウムを開催予定